米テロ事件雑感　　

テロ事件雑感

　こう毎日、テロに関する報道をみていると、考えないわけにはいかない。私のように、政治、経済等、等、等に疎いものは、考えることは知れている。考えたと思っていても、大概の人が、コメントでおしゃべりしています。　と言うことで、読んでいただいて、時間を損したと思われるかもしれませんが、読んでください。

人ごとのようなことを書きますが、私には、テレビでコメントされていることには、あまりぴんと来ないところがあります。

確かに、なにも関係の無い大勢の人を殺傷したことは良くありませんが、そこまでするには、やはり理由があると思います。その理由が良くわかりません。

　湾岸戦争のときも、これでもかと言うほど、テレビで説明してもらいましたが、よく理解できないうちに、終わりました。今度は戦争を徹底的に、継続的に行うとアメリカの大統領は、言ってますから、相当、アメリカは怒っています。しかし、ゲリラの方も、相当、怒ったから報復?に出たのだと思います。

　ゲリラの方は、理解できないのですが、アメリカは日本の真珠湾以来だと言ってます。私は、真珠湾攻撃は、奇襲作戦だと言われそのように信じていましたが、古いアメリカの資料が公開されるようになりますと、日本の暗号は筒抜けだったことが判ってきました。となると、奇襲ではなく、真珠湾に日本軍をひきづり込んで叩く作戦だったのでしょう。思惑が外れて、想像以上にアメリカの被害が大きかったことになります。

　それゆえに、報復がすごかったですね。10倍どころではありません。もう一度、戦争で受けた被害を計算し直す必要があります。戦争の被害だけでなく、その後、ずっと、安保と言って日本を守っていることになっています。本当に、日本をまもっているのでしょうか?  今度のことで、アメリカはやられないで、日本のみが報復をうけるかも知れません。受けなくても、今後、永遠に、アメリカが起こす戦争の費用を出さなければならないかもしれません。

　経過はどのようであれ、戦争は、国民を一つにまとめるには、抜群の働きがあります。戦争宣言は、上・下院で承認されたのですが、どちらかで、一人だけ反対する人があっただけです。議員はどうかしています。その一人が議員の何パーセントになるか知りませんが、国民の意見を聞けば、そのような高率にならないと思います。アメリカはすでに、頭が正常でない人によって、動かされています。　直せる人は、アメリカ人以外の人なのに、世界の国々は、アメリカに追随することを宣言しました。

　小泉首相も早い時期に、同盟国として、協力を惜しまないと宣言しました。日ごろから、このようなことを想定して、態度を決めておられたのでしょうか? 　それにしたら、またもや、他の国、とりわけ、ヨーロッパの出方を見てから、宣言したために、非難を浴びています。協力を惜しまないと言いながら、未だに、何をして良いかわかりません。

　新聞社は、親切です。出来ることはどのようなことがあるかを一覧表にして、これこれは、憲法の制約上できないなどとバツ印入れ、○のついたものは、役立たないものばかり、挙げています。もっと、真面目に、出来ることを考えて提案すべきでしょう。

　同盟国として、本当にすることが無いのであれば、この際、同盟国は破棄すべきではないでしょうか?  憲法にあるとおり、軍隊を持たないで、どのような損を蒙っても、平和憲法で行くべきでしょう。米軍の基地も撤退すべきです。それが、嫌なら、もつと、しっかりと軍備をすべきでしょう。

　北朝鮮に、ミサイルを頭越しに飛ばされて、国交がないからと言って、よう、抗議もしないようで、国といえるのでしょうか? 

小泉首相は自分が日本人であることを忘れておられます。

私は、テレビを見ていて一番考えたことは、どの国のひとも、それぞれの歴史を持っていて、考え方はすべて違うのだと言うことを知りました。

事件に一段落が出来ましたら、皆さんは、亡くなられた方の追悼をされました。アメリカ人がするのは、当たり前です。イギリスでも、ドイツでも、教会で、いろいろのところで集会がもたれました。私は全然、被害を受けられた方は気の毒だとは思いますが、手を合わせて祈る気持ちが起きません。そんなことでは駄目だと非難されてもどうしようもありません。そんな気持ちにならないのですから。

日本のお寺・神社で「さあ、みなさん集まって追悼しましょう」などは誰も言いません。政府も言いません。日ごろ、えらそうに言っている、他の政党でも言いません。

私たち、日本人は、先祖を祀ったり、神社仏閣に年中参ります。外国から、行くなと言われても、小泉首相が行かれたように、先祖の霊を慰めに行きます。亡くなって、2〜3日の霊に黙祷はささげても、追悼の集会はする気にならないのです。(京阪神の震災のときは、道にローソクを立てることは見られましたが、札幌の人が大通り公園で追悼したかと言えばしません)

追悼しない民族は、駄目なのだ。靖国神社に行く首相はだめだと、韓国・中国が声高に主張するのは間違っています。日本人が長い年月を通して、知らぬ間に持っているものです。そのような考え方を投げ捨てて、同盟国だから、必ず、アメリカと歩調を合わせてというのは、間違っています。

小泉首相は、宣言してしまったのですから、少々、国民の不満があっても、実行すべきでしょう。することがないのであれば、率直に、何をしたらいいでしょうか? とアメリカに聞けばいいです。 私は、することは一杯あると思います。別の機会に書きたく思います。

関連して、別のことを考えましたので、記します。

このたびの戦争は、アメリカとアフガニスタンまたは、ゲリラとの戦いにはならないでしょう。イスラムの人は、仕方なしに、アメリカの言うとおりになるでしょう。パキスタンはしぶしぶ従いました。　政府を従わせることは可能ですが、国民を従わせることは、不可能です。ゆくゆくは、イスラムの人たちとの戦争になると思います。

報復(10倍ぐらいの)はしても、戦争は、すべきで無いと思います。どれほど、悲惨なものであるかは、東京・大阪で空襲に合い、死体が累々と並ぶ様を見たものでないとわからないと思います。いや、広島・長崎の方がひどかったと言われるでしょうが、ひどすぎて、人間の思考力の範囲を超えていたのではないかと思います。まだまだ、東京の空襲のひどさを記憶している人は生きておられます。そんな経験者に質問すればいいと思います。100％戦争はしてはいけないと言われるはずです。あれだけのことをされたのであるから、戦争は仕方がないというのは、戦争を知らない人が言うことだと思います。

こんなことを私が言ったところで、戦争は始まるでしょう。

さて、20年続くのでしょうか? 50年つづくのでしょうか?  間違いなく、両方の人間は死ぬでしょう。この人たちの考え方では、片方が全滅すれば、平和が訪れますが、そうでなければ、世界を救うことは出来ないと思います。

アメリカ人は怒っています。なぜ、怒るのでしょうか?　アメリカの象徴であるもっとも、大きなビルが爆破されたからでしょうか? 　私はそうではないと思います。あのビルがやはり、潰れてなくなったからだと思います。周りのビルも崩壊しましたが、それは関係ないと思います。一本だと戦争だとは言い出さなかったのではないでしょうか? 二本なくなったからだと思います。

私は、イスラムとアメリカとでは、必ず、イスラム世界の勝ちだと思います。私はイスラム文化圏に行ったことがありません。イスラムに関する事は知りません。知っているのは、テレビに映ったアフガニスタンだけです。失礼な言い方ですが、私たちが大切にしているようなものは、何一つ映っていません。ひょっとすると、家の中にあるのかもしれませんが、いくら、ミサイルを撃ち込んでも、かれらは、失うものがありません。失うものが無ければ、なんら、腹が立ちません。死ぬかもしれません。しかし、テレビで小学生のような子供たちが、神のためにいくらでも死ぬことが出来ると笑いながら云ってました。本当なのでしよう。

一方、富の象徴・アメリカの象徴が崩れ去ったのです。これから、株価は下がって、財産が目に見えて減っていきます。日本では、日経平均で1000円は下がりました。2,300万円の財産を失くした人は、ざらでしょう。

本当は、あると皆が思っているもの、その物を必死で追い求めているのが、アメリカの人であり、日本人でもあります。本当は、あると思っているものは、いつかは無くなる運命にあるのに、それに気が付かないのだと思います。

と言ったからといって、イスラムの人は、世界の人をテロで殺戮することは、不可能です。幾ら、アラーの神が絶対だと思っても、地球の向こうにいる人に、信じろといっても、通用しません。

かくして、両者の戦いは、永遠に続くことになります。

日本には、「色即是空」という言葉があります。

私も、真の意味は良く知りませんが、「色」色のあるもの、形のあるもの、言い換えますと、人間の目に見えるものは、「即」「是」すなわち、これ、「空」である。「空」(くう)が問題です。からっぽでもないです。空(そら)でもないです。無(む)でもないです。あるのだが「くう」なのだということです。自分では、意味の無いもの・価値のないものなのだと考えています。

この言葉が出現するまで、人間は、物を求めて、争いの連続だったのでしょう。そして、この概念に到達したのではないかと思います。この概念は、頭の中ではわからないでもないですが、この境地に到達するために、いろいろの仏教が生まれたのだと思います。

私は、世界を救うことが出来るのは、インドの仏教ではありません。中国の仏教ではありません。日本の仏教ではないかという気がしています。

それよりも、もつと、単純に、あらゆるところに宿る神に感謝をするという日本の神が救うのかもしれません。もし、そうであるとすれば、神道には、教義も何もありません。他の国の人が、今の日本人のようになれるには、2000年の年月がかかることになります。

長いことかかって培われた人間性を小泉首相は、いとも、簡単に放棄されて、拳すら挙げられませんでしたが、アメリカに追随すると宣言されました。

間違っておられるのではという気がしています。

平成13年9月17日