ニギハヤヒの名前は、古事記、日本書紀、籠名神社祝部海部直氏系図に以外では、先代旧事本紀に登場します。
　先代旧事本紀とは、どのようなものであるかは、私も知りません。いろいろ本も販売されていますが、インターネットで十分だと思います。
インターネットで読んだときの注意する点は、誰が書いておられるか判りません。プロの方が書いておられるからと言って、信用できるとは限らないことです。
　素人の方は、自分で、古い資料を正確に読むことは不可能ですから、プロの人が書いたものを信用することになります。それを元に書いておられますから、参考にする程度になります。
　この部分が間違っていますと、すべて、駄目になりますから、読み終えて自分の考えに取り込むときは、原文を自分でよむ必要があります。

さて、『旧事本紀』（くじほんぎ）は、全10巻からなり、天地開闢から推古天皇までの歴史が記述されています。フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』によりますと、
「序文では推古天皇の命によって聖徳太子と蘇我馬子が著したもの（『日本書紀』推古28年（620年）に相当する記述がある）となっているため、平安中期から江戸中期にかけては日本最古の歴史書として『古事記』・『日本書紀』よりも尊重されていたが、江戸時代に入ってようやく偽書ではないかという疑いがかけられるようになり、徳川光圀や伊勢貞丈らの研究によって偽書であることが明らかにされた。本書の成立は、実際には大同年間（806年〜810年）以後、延喜書紀講筵（904年〜906年）以前と過去には推定されていたが、近年の研究では、もう少し後年であるとの見方が強い。」
続けて、本文を拝借しますと、「本文の内容は『古事記』・『日本書紀』・『古語拾遺』の文章を適宜継ぎ接ぎしたものが大部分であるが、それらにはない独自の伝承や神名も見られる。また、物部氏の祖神である饒速日尊（にぎはやひのみこと）に関する独自の記述が特に多く、現存しない物部文献からの引用ではないかと考える向きもある。」

インターネットに原文　http://www.ceres.dti.ne.jp/~alex-x/wakan/kuji.html
三浦為春本
http://k-aiser.kokugakuin.ac.jp/digital/diglib/sendai/mag1/pages/page001.html
がありますので、印刷して、原文と違う点があるかどうか調べる必要があります。
翻訳文は、
http://www.kenkenfukuyo.org/reki/sendai-new/sen000.html

先代旧事本紀を読んでいただけましたか?  
私は読んでいません。『先代旧事本紀』は、物部氏の先祖を確かにさせるために書かれた書物であろうと勝手にとらえました。物部氏は、ニギハヤヒをはじめとする天孫族である。先に見てきました籠名神社祝部海部直氏系図も、海部氏も天孫族であるということを主張していることになります。

海部氏の『勘注系図』と『先代旧事本紀』の尾張氏の系図は、初代から十三世孫とされる代までほぼ同じであると研究の成果をホームページに書いておられます。
http://www.max.hi-ho.ne.jp/m-kat/nihon/6-4owari-amabe.htm

このようなことだけで、現在の私には、十分と考えています。
天武天皇は、壬申の乱のときの数少ない家来が、次々に死んでいくのを見ているうちに、次は自分であるということに、気が付きます。殆ど、の家来が死んだ様子は、日本書紀に書かれています。漢人から殺されそうになった時に、あまりにも、各豪族が、勝手に自分たちの先祖のことを書いているし、天皇家のことも間違って伝えられているので、古事記の編纂を太安万侶に命令したことが、古事記の序文に書かれています。
　天武天皇は、続けて、日本書紀の編纂も命じたことになっています。命じたのは、天武天皇ではなく、藤原不比等です。
藤原不比等は、出来上がった古事記に代わるものを書き、古事記は無かったことにしようとした形跡があります。
古事記には、帝紀と本辞は虚偽が多いと書いています。この帝紀と本辞は参考にしたでしょう。もっと、他にも記録されたものはあったと推察されます。しかし、これでは足らなかったと見えて、各国に風土記なるものを提出するように命令を出しました。
これらの内で現在残っているものは、完全なものは、出雲風土記だけです。日本書紀やその後に、出された続日本紀なども、いっぱい残っていますが、日本書紀以前のものは、完全なものと思われるのは、出雲風土記だけです。日本書紀を除いてすべて、無くなってしまいました。
ところが、400年後に、古事記は発見されますが、世の中に現われたのは、本居宣長の研究を通してということになります。本当ですと、他の書物と同様に、消えてしまうはずの古事記は、間違って、世の中に出現することになりました。

日本書記を良く読んでください。日本書紀は、物部氏の復活を応援するために書かれたと思えるような部分も見つけられます。
そのためには、ニギハヤヒが、天孫族であることを証明するような記述になっています。

日本書記に、ニギハヤヒは、長髄彦がとんでもない男だったから、殺して、神武天皇に従ったという記述は信用しますと、日本の歴史を間違うことになります。
もっと、研究してから結論を出しても良いと思います。