随分前に、アメリカが二極化になっていると何かで読んだ記憶がある。良いことも悪いことも、日本は10年遅れでアメリカに追随しています。
なにかといますと、お金持ちと貧乏人とに別れていきます。お金持ちは益々お金持ちに、貧乏人はますます貧乏人に。但し、お金持ちは、全体の5％ぐらいとのこと。例えば、株で儲けることの出来る人は、5％ぐらいであると。どこまで正しいか確かめることは出来ませんが、まあ、そんなものかと思っています。私は5％など、なれるわけが無いので、95％の方に入っていくのですから、仲間が多くなるほど気が楽です。
　
そんなことを考えている私の目に、その5％の方と､９５％の方のことが、目に入りました。
９５％のお話を先に書きます。
　私の家の近くに、「180円ラーメン」という看板が上げられたのは、何時のことでしょうか。随分のことになります。これは、基本の料金で、トッピングといって、そこに卵や、キムチやおネギをプラスしますと、280円とか、350円にアップします。まわりにあったラーメン屋さんは、次々閉店していきます。しかし、この180えんラーメンの所為ではありません。私は何度か行きました。１２時とか、１２時半とか時間を変えて行きました。しかし、満員であったことはありません。味はといいますと、「究極のらーめん」とか、「自然派・・・」など、いろいろ研究をしたラーメンは、さすがに、値段は、1200円とか、800円とか、「180円ラーメン」の数倍の値段がついています。数倍おいしいかといいますと、「180円ラーメン」は、昔のままの味がしていて、いろいろ研究したものより、美味しいのです。いや、これで辛抱できるようになっているのかもしれません。「180円ラーメン」の面白いのは、だれ一人として、180円のらーめんは注文しません。やはり、95％のほうに入りたくないのでしょう。薄い輪切りの卵の煮抜きが、入っただけで100円アップするのですから、180円のラーメンで充分ですが、今暫くは、トッピングのラーメンが続くことになります。
　この味で、安くできるのだと知った人は、普通のラーメン屋さんに行かなくなったのだと思います。ということは、らーめん離れになったということです。

先日、ラーメンではありませんが、「１００円うどん」の看板を見ました。まだ、食べていませんが、食べて気に入ったら、えらいことです。愈々、95％の方の仲間入りです。
それほどには安くはありませんが、近くの「おうどん」は、お昼どきですと、満員です。しかし、「180円ラーメン」と同じことが起こりますと、このうどんやさんも減ることになります。

5％の方のお話。
 最近、私の近くに、大きなマーケットが完成しました。あのようなタイプをなんと呼ぶのでしょうか？スーパーの大きなのがあり、映画館がいくつもあり、スポーツ用品の専門店が何軒もあったり、全く関係ない旅行業者もある。百貨店ではないのです。電車はないが、ターミナルの町をデンと作った感じです。何が違うかと言いますと、お金を持っていない者や高齢者は相手にしていないということです。しかし、お金を持っていない者は、全く相手にしないのかといえばそうではなく、店舗の面積が広く、品数が多く、心をくすぐる商品が山のように並んでいます。それに、やたらと、階段・エスカレーターが多く、どこにどのような店があるかの表示は、若者向けに作られています。年寄はそれがわからず、くたくたに疲れて帰宅ということになります。
一時、年寄はお金を持っていると見られ、その方面の仕事に手を出す人が多くなりましたが、年寄りは一番お金を持っているのですが、使わないということが判ったのでしょう、このような新しい町が出来上がりました。
駐車場は、今までのターミナルと違って、1000台駐車可能です。開店から10日目ころに一度行きましたが、サービスなのか、駐車料は無料でした。オープンしたばかりですから、駐車場に入るのも、列をなしました。完全に私の町のみがターゲットでないことが判ります。
きっと、15ｋｍは範囲に考えているのだと思われます。この町を走る唯一の国道が近くを走っているため、国道に渋滞の影響を与えます。買わない人も、買う人も兎に角入ってもらうために、千台の車から料金を取れば、それだけで、相当の渋滞が出ます。警備・車の誘導などは、随分練られた様子で、既に一ヶ月になろうとしていますが、あまり、一般からの苦情はありません。
これと同様のものが、東隣町に出来たのは、随分以前になりますが、初めのオーナーから。手は離れました。20ｋｍ離れた西の方の町には、１年に出来ました。さて、今後、どのようになるか判りませんが、商売の仕方は全く変わりました。
一向に5％の話がでてこないなと思われていると思います。５％に値する店が成り立つには、15ｋｍをターゲットにして初めて可能なのではないかと、文才が無いので苦労しながら、説明をしました。

このマーケットの中に、ペットショップを見つけました。
はじめに、覗いたコーナーはレストランでした。このレストランは、メニューを見ますと、普通のメニューですが、どう見ても、犬のレストランです。まさか、犬が一匹でやってきて、食べるわけにはいきませんから、飼い主が連れてきて、食べさせることになります。そして、ついでに、飼い主も食事をするシステムです。最近、私はすぐに忘れるという身体になってしまい、その値段を覚えていないのですが、いろいろあるうちに8000円という金額があったように思います。7000円が人用で、1000円が犬用ではなかったと思います。犬のステーキでしたら、犬は秒単位で食べてしまうと思うのですが、是では、犬と会話を楽しみながら食べるわけには行きません。隣の犬と喧嘩にならないのだろうかとか、いろいろ心配しながら、ぐるりとお店周りを廻りますと、板張りの床のペットショップがありました。
きれいな犬舎の中に、流行のダックスフントャチワワがガラス越しに、こちらを眺めていました。貧乏性の私は、すぐに、値段に目がいきます。40万円・24万円の金額が入ってきました。このペットショプは、先ほどのレストランと続いていました。
これで納得できました。この犬たちを買う人にとっては、レストランの値段など、全く問題ではありません。今までなかったほうがおかしいぐらいです。いくら商圏が、広くしても、この金額では、商売にならなかったと思いますが、日本では、バブルの崩壊で一人当たり1000万円損をしたと言われています。その金額が、全く消えてしまったわけではありません。5％の人の懐に転げ込んだと思われます。こうして、日本もやっと、アメリカに近づいたと思われます。その分、貧乏人は増えたことになります。
私は、これは此れで良いと思うのですが、お金を持たない人は、相手にしていないのですが、いざ行ってみると手にはいりそうな品物が、山と積まれています。だれでも欲しくなります。
これが元で、いろいろの犯罪が増えるのでしょうね。

しかし、このマーケットは、イキイキとしていました。

^　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成１５年11月05日