宮崎県の知事になりました「そのまま東」は、やりたいことをいくつかあげました。その中の一つに、宮崎県へ観光客を誘致することを挙げておられます。宮崎県にも、２０００年の歴史がありますから、観光に来てもらうには、歴史もテーマの一つになるでしょう。しかし、歴史であれば、北九州の方が豊富です。宮崎に東京から来て貰うためには、宮崎に行かないと体験できないものが必要です。随分昔に南国宮崎を憧れて新婚旅行で訪れました。今では通用しないでしょう。佐賀県の吉野ヶ里は、全国から多くの人を集めました。もう、無理でしょう。
なにが無理かと云いますと、遺跡にしても古墳にしても、少なくとも古代に関しては、謎ばかりで訪問しても面白くありません。私の歴史観は、古事記に書かれていることは、神話ではなく、本当のことだと仮定して、古事記を読んだり、日本書紀を読みますと、これまで、正しいとされていた日本史より、ずっと楽しく読むことが出来ます。読むだけではなく、書いてある場所へ旅行することが出来ます。ただ、誰か解説する人が必要になります。これまでの旅行のように、バスガイドさんが、はじめから終わりまで、喋りとおしで、全員眠っているような旅行ではありません。少しだけ説明し、後は現地では、そのまま見て、感じてもらう旅を考えています。旅行に行きたい人は、旅行社のホームページにアクセスして、資料は自分でコピーして、自分で勉強して参加します。そのときの資料をこれから書きますから、読んでください。このような旅行は、現実にはありませんから、いいなと思われた方は、ご自分で行ってください。

旅行タイトル----稲葉の白兎の旅
旅の概略---「いなばの白兎」とは、712年に完成した古事記に書かれている話です。ところが、普通は古事記に書かれている話と全く、別の話になっています。「いなばの白うさぎ」のお話は、誰でも知っていると思いましたが、知っているのは私ぐらいまでの年齢(66)で、知らない人の方が多いかもしれません。
昔を思い出して書いてみます。小さい頃には絵本が何冊かあったような気がします。カラーで、表紙が分厚く、内容は一つ(?)ではなく、一寸法師とか、花咲か爺さん(?)・桃太郎であったような気がします。「いなばの白うさぎ」ですが、大きな袋を担いだ白い服(神代の衣装)を着た人が、ウサギをガマの穂の上に寝かせている絵やウサギが並んだワニの頭の上を飛んでいる絵をかすかに覚えています。字は少し書いてあっただけだと思います。不足する部分は、親が自分の考えを織り込みながら、何度も読んで聞かせたのだと思います。
　後の知識が混ざっているかもしれませんが、私がそのとき知ったと思われるストーリーを書きますと、オオクニヌシが、海岸を歩いていると、泣いている白いウサギがいました。どうしたのかと聞ますと、海岸から離れた島に行ったが、帰れなくなった。そこで、一案が思い浮かび、自分の仲間とワニの仲間とどちらの数が多いか比べてみようと提案します。島から海岸まで、ワニが並んだところで、ウサギが頭の上を通過しながら、ワニの数を数えるという方法です。ウサギはワニの頭を通過するたびに、一、二、三と数えます。もう、少しというところで、ウサギは自分の本当の企みを、大声で言います。「馬鹿だな。　私はただ海を渡って、海岸に行きたかっただけさ」と。それを聞いたワニは、怒って、ウサギに噛み付き毛をむしり取りました。それで、ウサギは泣いていた。
オオクニヌシの言うとおりに、ガマの穂の上で寝ているとどんどん良くなりました。
寝物語に何度聞かされたのでしょう。昔ばなしは、いっぱい覚えています。その後、学校の歴史に登場していませんから、すべて、小さな頃に頭の中に入ったことになります。

「いなばの白うさぎ」は、その後、真正面から取り組んだ人がいっぱいおられます。
�@海にワニなどいませんから、これはフカのことだ。いや、当時はワニがいたのだ。和爾氏のことを書いているのだ。
�Aこれと同様の民話は、南方の方に沢山あるから日本人は、南方からやってきた。
�B出雲風土記にも書かれている神話で、オオクニヌシは、この時、一人ではなく多くの兄弟と海岸にやってきました。はじめにやってきた兄弟は、ウサギに治療方法として、海の水をつけて、寝ていなさいと指導したら、塩で余計に酷くなって、泣いているところにオオクニヌシが到着して、正しい治療方法を教えた。
だからオオクニヌシは、大変やさしい神さんであったことを伝えたかったのだ。兄弟たちは、逆のことを教えて、とんでもない人だったのだ。いや、医療のこととしては、日本の歴史に初めて登場するから、医学の知識を持っていた人である。だから、病気の神さんである。　
詳しく知らない方は、「いなばの白兎」をキーワードにして、ＷＥＢで検索しますと、いくらでもヒットします。http://www5c.biglobe.ne.jp/~izanami/coramu1/inaba.html

次回は、古事記に書かれている「いなばの白うさぎ」を私流に読んでみますから、神話は忘れて読んでください。